Vol. 5
【1】 ILTM World Tourレポート
【2】第4回TLA会合のご案内 etc.

TLAニュースレター For Members

Vol. 5(令和2年12月21日配信)

今号のトピック

【1】 ILTM World Tour 参加レポート

【2】 第4回TLA会合のご案内

【3】 TLA加盟メンバーのご紹介


【1】ILTM World Tour 参加レポート


東京都およびTCVBは、日本時間の11月17日から12月4日の期間にILTMが開催したバーチャル商談イベント「ILTM World Tour」に参加しました。11月17日から19日はAsia Pacific、11月23日から25日はEurope/Middle East/Africa、12月25日から27日はAmericasと、対象地域ごとに開催されました。今回はTLAがターゲットとしている欧米豪市場を対象としたものだけでなく、新しい試みとしてアジア市場のバイヤーとの商談機会を設けました。

Post/With コロナ時代では、世界中の様々な調査等において「近隣諸国への海外旅行需要から回復する」、「安心・安全対策に対価を払える富裕層市場から回復する」といった予測が多く述べられています。その中で、日本のインバウンド市場の回復において直近で重要だと考えられるアジア市場と欧米豪市場のちがいも踏まえ、全体として以下の様な傾向が見られました。

【アジア市場について】

  • アジアにおいて、富裕層の数が多くキー・マーケットとして考えられる中国、香港、韓国、台湾、シンガポール、インドネシア、タイのトラベルデザイナーやコンシェルジュ会社を中心にアポ取りを進めたものの、それらの国から参加するトラベルデザイナーやコンシェルジュ会社の数が欧米豪市場に比べて非常に少なかった。日本含め市場特性として、欧米豪市場に比べトラベルデザイナーやコンシェルジュ会社の利用が文化的に浸透していない様子が伺えた。
  • 前述のアジアの重要市場の旅行エージェントは日本への送客実績自体は非常に多く、日本・東京への関心も比較的高いように思われた。ただし、欧米豪市場のバイヤーが顧客に持つ富裕層に比べ、アジア市場のバイヤーが顧客に持つ富裕層は下位富裕層(中間層に近い)である傾向が見られた。一方で、カザフスタンやウクライナなどの国々はマーケット規模は小さいものの、要人やVIPなど上位富裕層を顧客に持っている様子が伺えた。
  • 以上の内容を踏まえ、欧米豪市場と同様に、アジア市場における富裕層向けプロモーションのターゲットも「上位富裕層」とする場合、欧米豪市場のようにトラベルデザイナーを中心としたBtoBプロモーションとは別の形でターゲットにリーチする必要があると感じられた。

【欧米豪市場について】

  • バーチャルイベントへの乱立や、キー・マーケットである国での新型コロナウィルス感染再拡大、海外旅行客に対して日本の国境が閉ざされ開く見通しも立っていないことなど様々な要因から、キー・マーケットであるイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインのトラベルデザイナーやコンシェルジュ会社への商談リクエストの反応が、全体的に非常に悪かった。
  • 一方で、前述のキー・マーケットの国々のバイヤーの代わりにアポ取りを進めた国々のバイヤーについては、リクエストから承認までのスピードも速く、商談の会話の中からも日本/東京への関心の高さが伺えた。こういったマイナー・マーケットの可能性も伺えた。
  • 引き続き「日本は新型コロナウィルス対策が上手くいっている国」という印象を持たれている傾向が強く、日本の感染拡大状況については関心が低かった。
  • 「日本の国境はいつ開く見込みなのか?」という質問を受けることが多かった。「日本の国境は開いているのか?」と聞かれることはほとんど無く、日本の国境が海外旅行客に対して閉ざされているという情報がバイヤーの中でかなり浸透してきている印象を受けた。
  • 「日本はよく送客している国の一つ」、「日本に行きたいと思っているクライアントが多い」と言うバイヤーも多く、バイヤーの日本の国境が開く見込みについての関心が高い裏付けと言える。「送れるなら、直ぐにでも送客できる」という声も少なくなかった。
  • 引き続き、日本/東京への総客実績はあるものの、訪日・訪都経験が無いバイヤーの割合が高く、東京の具体的な情報を求められることは少なく、「分からないことが多いので、困ったら助けて欲しい」といった、漠然とした支援を求める声が多かった。
  • 以上の内容を踏まえ、旅行者である富裕層の東京/日本に対する関心は引き続きある程度高いものの、富裕層の旅行手配を担うトラベルデザイナーやコンシェルジュ会社からの関心が一時的に低下していると言える。

【2】第4回TLA会合のご案内

※第1部はTLA非加盟の方を主に対象とした「TLAワークショップ」と合同で開催いたします。第1部終了後、第2部はTLA加盟メンバーのみを対象とした下記の企画を実施いたします。

1.  開催概要

日 時:令和3年1月15日(金)13:00~15:30

会 場:都内ホテルやイベント会場にてリアル開催、またはオンライン

    (決まり次第メールおよびTLAウェブサイトにて詳細ご連絡します。)

参加費:無料

2. プログラム

【第1部】 パネルディスカッション

ラグジュアリートラベラーが求める旅行商品・サービスについて理解を深めていただくために、日本在住の欧米出身の富裕層をゲストパネリストにお迎えし、参考となる海外での体験談や、東京・日本に求めるもの等についてディスカッションしていただきます。

【第2部】 TLA会合

(1) 講演

『ウィズコロナの社会における富裕層旅行について』

講演者:株式会社アール・プロジェクト・インコーポレイテッド代表取締役 福永浩貴 氏

内 容:The Ryokan Collectionの外国人会員等との直近のやり取りや実体験から見える、これからの富裕層旅行市場について講演します。

(2) 交流会

3. お申込み

1月11日(月)までに、こちらのページからお申し込みください。

【3】TLA加盟メンバーのご紹介

第4弾となる今回は、「即今」さんと「一穂堂」さんをご紹介します。

即今

青山にお店を構える「即今」は、茶道宗和流18代家元の宇田川宗光さんが手掛ける、伝統的な茶事から全く新しいお茶の楽しみ方まで、自由な茶道体験ができる施設です。施設内はバーと茶室、ダイニングの3つの部屋から構成され、バーではアペリティフを楽しむ感覚で抹茶を使ったカクテルなどを提供し、ダイニングでは本格的な茶懐石コース等が提供されています。茶室では宇田川さんや、フランス出身の茶道家で店主のザックさんによる本格的な茶会を体験できるほか、ご自身で手配した茶師や持ち込みの茶道具を使ったお茶会を開いて楽しむことも可能です。

「お客様をもてなし会話を楽しむ」という茶道の原点に返ることを大切にし、特定の流派やルールを超えて自由に楽しんで頂ける場所を作りたいと考えたのが、即今をオープンしたきっかけだそうです。ダイニングでは舞踊や香道など文化体験の催しを開くことも可能で、TLA加盟メンバーの皆様とも様々なコラボレーションをしていきたいと考えていらっしゃいます。

※ご連絡先は、加盟メンバーリストに掲載しています。


一穂堂

銀座にギャラリーを構える一穂堂。ここは、現存する日本のアーティストの作品を扱っており、陶器、木工、染、織、刺繍、絵画など幅広い作品が並びます。オーナーの青野惠子さんは現代芸術の目利きで、日本国内外に広い人脈があり、2008年にはNYにもギャラリーをオープンしています。日本を代表する著名な作家の作品を扱う一方で、才能ある若手アーティストを発掘し、世界へ発信しています。また、銀座のギャラリーには隠れ家の様な茶室「具庵」があります。ここでは四季の室礼と共に現存作家の茶道具で茶の湯を体験することができ、親交の深いお客様を中心に上質な日本のアートの魅力を提案されています。

「美しいモノには人を浄化したり豊かにする力があり、それを作り出すアーティストには不思議な魅力があります。一穂堂はそれを作る人と求める人の居心地の良い空間です。」と青野さん。TLA加盟メンバーの大切なお客様が日本の上質なアート・文化と出会うためのお手伝いや、日本のアートの魅力を国内外に広めていきたいと考えていらっしゃいます。

※ご連絡先は、加盟メンバーリストに掲載しています。

 

本年も残すところあと僅かとなりました。

新年には、TLA会合にて皆様と直接お会いできます事を楽しみにしております。

よいクリスマスと年末年始をお過ごし下さい。