7月30日に東京アメリカンクラブで開催されたTokyo Luxury Authority第1回会合では、宿泊、DMC、コンテンツホルダーなど、さまざまな領域で活躍する約100名の都内事業者が一堂に会しました。冒頭、東京都産業労働局観光部長 松本明子がご挨拶させていただき、「2020年に開かれる東京2020オリンピック・パラリンピック、またその先を見据えて、私共は今、さまざまな観光施策を戦略的に推進している。中でも、本日の議題であるラグジュアリートラベルについては、大きな消費を生むとともに、その発信力の高さから都市イメージの向上にもつながり、さらなるインバウンド誘致が期待されることを認識したうえで、力を入れ始めたところである」とご案内させていただきました。

公益財団法人東京観光財団(以下、TCVB)観光事業部次長・田所明人からは、東京のラグジュアリートラベルマーケット振興のこれまでの取組についてご案内しました。なぜ、ラグジュアリートラベルマーケットに取り組むのか――その理由として、「消費」「品質」「評判」の3つを挙げました。モノだけでなく、“特別な体験”や“日本でしかできない体験”といったコトを求める傾向にある欧米豪のラグジュアリートラベラーをターゲットとすることで、「消費の多様性の創出が期待できる」と述べました。

また、Future Traveller Tribes 2030のデータを用い、「Bluxury」、「Cash-rich, Time poor」、「Special Occasion」といった世界のラグジュアリートラベラーの多様なペルソナを解説するとともに、ラグジュアリートラベラーが旅に求める「自己実現」、「信頼できるコンタクト」、「本物の体験」といったニーズについてご案内しました。また、東京都及びTCVBで行ってきたこれまでの取り組みを紹介し、昨年度(平成30年度)はラグジュアリートラベル市場向けコンソーシアムである「Virtuoso」と「Traveller Made®」に加盟したほか、仏・カンヌで開催された世界最大級のラグジュアリートラベル見本市「ILTM Cannes」に初めて出展するなど、具体的なアプローチを始めたことを述べました。

続いて、ラグジュアリートラベル市場に精通したリージェンシー・グループ株式会社会長・CEOの沼能功氏と、株式会社クリル・プリヴェ代表取締役・髙野雅臣氏をゲストにお迎えしてパネルディスカッションを開催。モデレーターを務めたTCVB田所からは、欧米豪のラグジュアリーマーケットの現状と東京の可能性を探るべく、お二人に次々と質問を投げかけ、活発な討論が繰り広げられました。沼能氏からは、「特に富裕層マーケットは、やはり人についてくる。例えば、信頼を置くトラベルエージェンシーが持つ個人的なコネクションを頼って、日本に来るということが起きている」、「信頼関係をベースとして、ニーズやコンテンツをどうマッチングさせるかがひとつのポイントになると思う」など、市場特有の信頼関係の重要性についてお話しくださいました。また、髙野氏からは、「要望に応えるために、こちらからヒアリングを行うが、逆にいろいろと聞かれることもある。いずれにしても、期待に添える対応を心がけている」、「いかにタイムリーにお客様の要望を吸収していくかということを大切にしている。人気の高いものはすぐに埋まってしまうので、せっかくの機会を失わないためにも、その方が望むことを的確かつ速やかに把握することが重要。」といった、対応姿勢の重要性などについてお話しくださいました。

パネルディスカッション後の後半は、Tokyo Luxury Authorityの運営メンバーのお一人であるTOKYO LUXEY代表・前田知映氏からTokyo Luxury Authorityの今後の活動についてご紹介いただきました。「先ほど沼能氏、髙野氏から、ネットワークがいかに重要かという話があったが、Tokyo Luxury Authorityは、まさに東京のラグジュアリートラベル業界のネットワークを強めたいという想いのもとに発足した組織です。休憩中、皆さんがいきいきと交流する光景を見て、私共が目指す姿そのものだと感じました」とお話しいただきました。前田氏にご登壇いただいた後、TCVB観光事業部主任・門田祐也から、欧米で高い評価を受けているラグジュアリートラベル市場向けの商談イベント「Connections Luxury」を東京に誘致し、2020年2月に「Connections Tokyo 2020」が開催されることをご紹介しました。参加者募集の詳細についてはこちらをご確認ください。

会合終了後には交流会を開催し、様々な業種の方々による活発なネットワーキングが行われていました。参加者からは、「インバウンドの一つの動向として興味がある」、「ネットワーキング、情報収集の場として活用したい」、「新しい商品(コンテンツ)を紹介して欲しい」など、忌憚のないご意見を頂戴し、今後のTLAの活動に活かしていきたいと考えています。今後開催する会合については、TLAのWEBサイトなどでご案内させていただきます。