ILTM Cannes 2019出展レポート

東京都及びTCVBでは、前年度に引き続き2019年12月2日(月)~5日(木)にフランスのカンヌで開催されたILTM Cannes 2019に出展しました。International Luxury Travel Market (ILTM)は現在世界7都市で開催されているラグジュアリートラベル市場向けの商談イベントで、その中でもILTM Cannesは最も権威のある世界最大規模の祭典と言われています。世界中から約1,880社の高級ホテル、リゾート、DMC、クルーズ等の出展社と、約1,800名のVIPバイヤーと呼ばれる旅行エージェント等が一堂に会し、完全アポイント制の商談が中3日間で約72,000件行われます。1回の商談枠は20分となっており、1出展社につき40件程度の商談が可能となっています。

商談会以外にもカンファレンス等様々なイベントが開かれる他、会期中はイベント時間外に各所で様々なネットワーキングイベントが催されており、この大規模イベントを契機にコネクション構築も大変重要視されています。東京都及びTCVBも、Connections主催イベントに協賛するかたちで、ILTM Cannesに出展した都内事業者の皆さんと共に、海外の有力バイヤーのみならず様々な出展者と交流を図りました。

ラグジュアリートラベル市場における動向やトレンドについて情報収集することができましたので、以下概要をまとめます。

【ILTM Cannesにおける動向やトレンド】
  • 前年度に続き、Wellnessへの関心がラグジュアリートラベル市場全体において引き続き高い様子で、ILTM Cannes 2019でもWellnessに特化したパンフレットを別途制作・配布していた。
  • 前年度はロシアおよびその近隣諸国からのバイヤーが多く見受けられたが、今年度はメキシコや中南米からのバイヤーが多く見受けられ、市場の拡大やその潜在性が見受けられた。特にメキシコとブラジルからのバイヤーが目立つ印象であった。
  • メキシコや中南米のバイヤーが持つ顧客は、ビジネスクラスや、ラグジュアリーホテルのスタンダードルームを利用する様な、比較的ローバジェットなラグジュアリートラベラーが多い印象であった。
【東京に関する主なコメントや質問、フィードバック】
  • 東京の商談は、会期前の事前アポイント申請の段階で商談枠がすべて埋まり、日本・東京についての関心の高さが伺えた。東京ブースの共同出展社の方々においても、活発な商談が行われ、他デスティネーションと比較しても、商談のニーズの高さが感じられた。
  • 前年度以上に、全体的に日本への関心が高い。3日間で40件程度行った商談の内、そのほとんどが「日本についての問い合わせが非常に増えている」と述べ、9割近いバイヤーが既に東京/日本への送客実績がある様な状況。
  • 商談を行ったバイヤーの9割近くが既に東京/日本に送客実績があると答えたものの、訪都・訪日経験があるのは全体の1~2割程度といった状況。知見の乏しさが、積極的な販売の妨げとなっている様子。
  • 東京/日本に詳しくないバイヤーが多いこともあってか、ラグジュアリーホテルの立地について質問してくるバイヤーの割合が多かった。中でも一番多かったのが「どのエリアに泊まると便利か」という質問で、施設やサービスの良し悪しと同等に立地や周辺環境も非常に重要視している印象。